2025年12月24日水曜日

第48回A問題 第106問 熱傷(やけど)の重症度判定に関する問題

 第48回救急救命士国家試験A問題はこちら

106 Ⅲ度2%の熱傷で重症と判断する部位はどれか。1つ選べ。

1 後頭部

2 上腕

3 背部

4 会陰部

5 大腿


解答 4


【AIによる解説】


第106問は、熱傷(やけど)の重症度判定に関する問題です。熱傷は「深さ(度数)」と「範囲(面積)」で評価しますが、特定の部位については面積に関わらず重症とみなすルールがあります。


解説:特殊部位の熱傷と重症度

正解は4です。

熱傷の重症度は通常、年齢や熱傷面積(II度・III度)から算出される「熱傷指数(BI)」などで判断しますが、以下の「特殊部位」に深い熱傷(特にIII度)を負った場合は、面積が小さくても重症(専門的な治療が必要)と判断されます。

  • 4 会陰部(えいんぶ):

    尿道や肛門に近く、排泄物による感染のリスクが極めて高い部位です。また、治癒過程で引きつれ(拘縮)が起きると排泄機能や性機能に重大な支障をきたすため、特殊なケアが必要です。

その他の重症と判断される特殊部位:

  • 顔面・頭部: 気道熱傷の合併や、視力障害、整容上の問題。

  • 手・足: 指の動かなくなるなどの機能障害、日常生活への多大な影響。

  • 関節部: 拘縮による運動制限。


他の選択肢の分析

  • 1 後頭部、2 上腕、3 背部、5 大腿:

    これらの部位は「広範囲」であれば当然重症になりますが、面積が「2%」(手のひら約2枚分)のIII度熱傷であれば、全身への影響や機能障害のリスクという点では、会陰部ほどの緊急性・特殊性は認められません。


救急救命士としての臨床的視点:現場での評価

現場で熱傷傷病者を評価する際は、以下のステップで行います。

  1. 気道熱傷のチェック: 鼻毛の焦げ、煤(すす)の混じった痰、声のかすれがないかを確認します。これがあれば最優先の重症事案です。

  2. 面積の算定(「9の法則」や「手掌法」):

    • 傷病者の手のひら(指を含む)を約1%として計算します。

    • 本問の「2%」は手のひら2枚分程度の範囲を指します。

  3. 深さの判定:

    • II度: 水疱(水ぶくれ)があり、非常に痛い。

    • III度: 皮膚が白っぽく、あるいは黒く焦げている。神経も焼けているため、痛みを感じないのが特徴です。

面積が小さくても「顔・手足・会陰部」のIII度熱傷を見つけた場合は、「見た目以上に重症である」と判断し、熱傷専門医のいる医療機関への搬送を検討することが重要です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。