2025年12月24日水曜日

第48回A問題 第80問 生体防御の要である免疫システムの分類について

  第48回救急救命士国家試験A問題はこちら

80 獲得免疫を担う細胞はどれか。1つ選べ。

1 単球

2 血小板

3 好中球

4 リンパ球

5 マクロファージ


解答 4


【AIによる解説】


第80問は、生体防御の要である免疫システムの分類に関する問題です。免疫には、生まれつき備わっている「自然免疫」と、後天的に特定の敵を覚えて攻撃する「獲得免疫(適応免疫)」の2種類がありますが、その違いを細胞レベルで理解することがポイントです。


解説:獲得免疫とリンパ球の役割

正解は4です。

私たちの体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体を攻撃する仕組みのうち、特定の病原体を識別し、それを記憶して効率よく排除する仕組みを獲得免疫と呼びます。この中心的な役割を担うのがリンパ球です。

リンパ球には、主に以下の3つの種類があります。

  • T細胞: 感染した細胞を直接攻撃したり(キラーT細胞)、他の免疫細胞に指令を出したり(ヘルパーT細胞)します。

  • B細胞: 病原体に対抗するための「抗体」を作り出します。一度戦った相手を記憶する能力があるため、2回目以降の感染では素早く強力に反応できます(免疫記憶)。

  • NK細胞(ナチュラルキラー細胞): これはリンパ球の一種ですが、例外的に「自然免疫」に分類され、異常な細胞をいち早く攻撃します。


他の選択肢の分析(自然免疫と血液成分)

  • 1 単球:

    白血球の一種で、血管外に出ると後述のマクロファージに分化します。

  • 2 血小板:

    免疫ではなく、出血を止めるための止血(血液凝固)を担う成分です。

  • 3 好中球:

    白血球の中で最も数が多く、病原体が侵入した直後に現場に駆けつけて、細菌を食べて処理する自然免疫の主役です。

  • 5 マクロファージ:

    死んだ細胞や病原体を食べる「大食細胞」です。自然免疫を担うと同時に、食べた敵の情報をリンパ球に伝える「抗原提示」という重要な役割も持っています。


救急救命士としての臨床的視点

血液検査のデータ(血算)を見た際、リンパ球の数や割合の変化は、傷病者がどのような状態にあるかを推測する材料になります。

例えば、細菌感染症では好中球が増加しやすく、ウイルス感染症では相対的にリンパ球の反応が目立つことがあります。また、重症な感染症や過度のストレス下では、一時的にリンパ球が減少することもあります。

「最初に戦うのが好中球やマクロファージ(自然免疫)」、「後から精鋭部隊として駆けつけ、敵を覚えるのがリンパ球(獲得免疫)」というイメージで整理しておくと、病態把握がスムーズになります。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。