2025年12月24日水曜日

第48回A問題 第88問 整形外科疾患の中でも遭遇頻度の高い腰椎椎間板ヘルニアの病態と特徴に関する問題

 48回救急救命士国家試験A問題はこちら

88 腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。1つ選べ。

1 高齢者に多い。

2 間欠性跛行を伴う。

3 下位腰椎に好発する。

4 「ぎっくり腰」と呼ばれる。

5 両側性に発症することが多い。


解答 3


【AIによる解説】


第88問は、整形外科疾患の中でも遭遇頻度の高い腰椎椎間板ヘルニアの病態と特徴に関する問題です。脊柱の構造と、年齢層による違いを整理することがポイントです。


解説:腰椎椎間板ヘルニアの好発部位と特徴

正解は3です。

腰椎椎間板ヘルニアは、背骨をつなぐクッションである「椎間板」の中身(髄核)が飛び出し、周囲の神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす疾患です。

  • 好発部位: 腰椎は第1から第5までありますが、特に大きな負担がかかる下位腰椎(第4腰椎と第5腰椎の間、または第5腰椎と仙骨の間)に最も多く発生します。

  • 症状: 圧迫された神経の通り道に沿って、腰から足にかけての鋭い痛み(坐骨神経痛)やしびれが現れます。

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他の選択肢の分析(誤っている記述)

  • 1 高齢者に多い:

    椎間板ヘルニアは、実は20代〜40代の比較的若い世代に多いのが特徴です。高齢者では椎間板の水分が減り、中身が飛び出すほどの勢いがなくなるため、代わりに骨が変形して神経を圧迫する「腰部脊柱管狭窄症」が多くなります。

  • 2 間欠性跛行を伴う:

    間欠性跛行(歩くと足が痛くなり、休むとまた歩ける症状)は、主に腰部脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症に典型的な症状です。ヘルニアでは、歩行の有無にかかわらず一定の姿勢で痛みが強まることが多いです。

  • 4 「ぎっくり腰」と呼ばれる:

    ぎっくり腰の正体は主に「急性腰痛症」であり、筋肉の炎症や捻挫のような状態を指します。ヘルニアの結果として急激な腰痛が起こることもありますが、医学的にイコールではありません。

  • 5 両側性に発症することが多い:

    ヘルニアは左右どちらか一方に飛び出すことが圧倒的に多いため、症状も通常は片側性です。もし両足に激しい麻痺や排尿・排便障害(馬尾症候群)が出た場合は、緊急手術が必要な重症例と判断されます。


救急救命士としての臨床的視点

現場で激しい腰痛を訴える傷病者に接触した際、ヘルニアを疑う重要なテストにSLR試験(下肢伸展挙上試験)があります。

  • SLR試験: 仰向けに寝た傷病者の足を、膝を伸ばしたまま持ち上げます。坐骨神経が圧迫されている場合、30度〜70度くらい持ち上げたところで足に激痛が走り、それ以上上げられなくなります。

救急活動においては、足の力が入りにくい(運動麻痺)や、感覚が鈍い(知覚麻痺)、あるいは尿が出にくいといった症状がないかを確認します。これらの「神経脱落症状」が顕著な場合は、速やかに整形外科的対応が可能な医療機関へ搬送する必要があります。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。