2025年12月24日水曜日

第48回A問題 第93問 小児の成長と発達に関する基本的な考え方についての問題

  第48回救急救命士国家試験A問題はこちら

93 小児の成長と発達の特徴について正しいのはどれか。1つ選べ。

1 脳が最も先に発育する。

2 成長と発達に個人差はない。

3 小児は成人のミニチュアと考える。

4 成長とは機能が成熟することである。

5 発達とは形態的に大きくなることである。


解答 1


【AIによる解説】


第93問は、小児の成長と発達に関する基本的な考え方についての問題です。小児を評価する際、成人と何が異なり、どのような順序で体が出来上がっていくのかを理解することが重要です。


解説:小児の発育パターンと「スキャモンの発育曲線」

正解は1です。

小児の体は、部位や組織によって発育する時期が異なります。これをグラフ化したものが有名な「スキャモンの発育曲線」です。

  • 1 脳が最も先に発育する:

    脳や脊髄、視覚器などの神経系型組織は、乳幼児期に極めて急速に発達します。4歳頃までには成人の約80%、12歳頃までにはほぼ100%に達します。これは、生後すぐに外の世界に適応し、運動能力や言語能力を獲得するために不可欠なプロセスです。


他の選択肢の分析(誤っている記述)

  • 2 成長と発達に個人差はない:

    成長のスピードや発達の時期には大きな個人差があります。同じ月齢でも、歩き始める時期や言葉が出始める時期が異なるのは一般的です。

  • 3 小児は成人のミニチュアと考える:

    これは救急医学においても「絶対に避けるべき考え方」です。小児は成人と比較して、頭部が大きく体表面積が広い、呼吸数が速い、代償機能が限界まで働いたあとに急変するなど、解剖学的・生理学的に全く異なる特性を持っています。

  • 4 成長とは機能が成熟することである:

    これは「発達」の定義です。

  • 5 発達とは形態的に大きくなることである:

    これは「成長」の定義です。

    • 成長(Growth): 身長や体重など、形態的・量的に増大すること。

    • 発達(Development): 精神、言語、運動など、機能的・質的に成熟すること。


救急救命士としての臨床的視点

小児の救急現場では、この「神経系が優先的に発達している」という知識が評価のヒントになります。

  1. 頭部外傷のリスク:

    乳幼児は体の割に頭が大きく重いため、転倒した際に頭部を強打しやすく、さらに脳組織が未熟で水分含有量が多いため、重症化しやすい傾向にあります。

  2. 発達段階の把握:

    「普段通りの反応があるか」を確認する際、その年齢で本来できているはずの動作(首が据わっているか、おもちゃを目で追うか、人見知りをするか等)を知っておくことで、意識障害の有無をより正確に判断できます。

小児を「小さな大人」として扱うのではなく、その年齢特有の身体バランスや機能的特徴を尊重した活動が求められます。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。