96 食中毒の原因として潜伏期間が最も長いのはどれか。1つ選べ。
1 サルモネラ
2 腸炎ビブリオ
3 ノロウイルス
4 黄色ブドウ球菌
5 腸管出血性大腸菌
解答 5
【AIによる解説】
第96問は、食中毒の原因菌・ウイルスの特徴(特に潜伏期間)に関する問題です。食中毒の特定には、何を食べたかと同じくらい「食べてから何時間(何日)後に発症したか」という情報が極めて重要になります。
解説:食中毒の潜伏期間と腸管出血性大腸菌
正解は5です。
食中毒の原因物質は、その増殖スピードや毒素の出し方によって潜伏期間が大きく異なります。
5 腸管出血性大腸菌(O157など):
潜伏期間は3〜8日(平均3〜5日)と、他の食中毒に比べて非常に長いのが最大の特徴です。
理由: 菌が腸内で増殖し、ベロ毒素という強力な毒素を産生して腸壁を破壊するまでに時間がかかるためです。
症状: 激しい腹痛と、最初は水様性の下痢、その後に鮮血便(出血性大腸炎)を来します。重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)という命に関わる合併症を引き起こすことがあります。
他の選択肢の分析(潜伏期間の短い順)
4 黄色ブドウ球菌(1〜6時間):
最短クラスです。食品の中で菌がすでに作り出した「毒素(エンテロトキシン)」を食べるため、摂取後すぐに激しい嘔吐が起こります。
2 腸炎ビブリオ(8〜24時間):
主に魚介類が原因となります。増殖スピードが非常に速く、半日から1日程度で激しい腹痛と下痢が起こります。
1 サルモネラ(12〜48時間):
鶏卵や鶏肉が主な原因です。食べてから半日〜2日程度で、腹痛、下痢、そして高熱が出るのが特徴です。
3 ノロウイルス(24〜48時間):
冬場に多いウイルス性食中毒です。1〜2日の潜伏期間を経て、突然の激しい嘔吐や下痢を引き起こします。
潜伏期間のまとめ表
| 原因物質 | 潜伏期間 | 主な原因食品 | 特徴 |
| 黄色ブドウ球菌 | 1~6時間 | おにぎり、弁当 | 毒素型。非常に早い。 |
| 腸炎ビブリオ | 8~24時間 | 魚介類(刺身) | 海水に生息。 |
| サルモネラ | 12~48時間 | 鶏肉、卵 | 発熱を伴うことが多い。 |
| ノロウイルス | 24~48時間 | 二枚貝、二次感染 | 感染力が非常に強い。 |
| 腸管出血性大腸菌 | 3~8日 | 牛肉、生野菜 | 非常に長い。血便。 |
救急救命士としての臨床的視点
現場で腹痛や下痢を訴える傷病者に接触した際、食中毒を疑う場合は以下の聞き取りがポイントになります。
「数日さかのぼった」食事内容:
O157のように潜伏期間が長いものがあるため、直近の食事だけでなく、1週間前くらいまでの食事内容(特に生肉の摂取など)を確認する必要があります。
周囲の発症状況:
同じものを食べた家族や友人に同様の症状がないかを確認します。
バイタルサインと脱水:
特に小児や高齢者の場合、激しい下痢・嘔吐による脱水からショックに陥るのが早いため、皮膚の乾燥や脈拍の状態を注意深く観察し、迅速な医療機関への搬送を目指します。
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