13 30歳の女性。3日前にアセトアミノフェン含有の解熱鎮痛剤を大量服用した。その後腹痛と悪心とを発症し、症状が増悪したため救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数24/分。脈拍100/分、整。血圧110/68mmHg。体温36.3℃。Sp02値99%。腹膜刺激症状はない。
この傷病で障害される可能性の高い臓器はどれか。1つ選べ。
1 脳
2 肺
3 心臓
4 肝臓
5 腎臓
解答 4
解答:肝臓
各選択肢の解説(想定される選択肢に基づき解説します)
肝臓:正解 アセトアミノフェンの代謝産物(NAPQI)は、過量摂取によって体内の解毒能力(グルタチオン)を超えると、肝細胞を直接破壊します。服用後24〜72時間(3日目)は、初期の悪心・嘔吐が一旦落ち着いた後に肝不全症状が顕著になる時期であり、本症例の経過と一致します。
腎臓:誤り 重症例では二次的に急性腎不全を併発することもありますが、アセトアミノフェン中毒の主戦場はあくまで肝臓です。腎障害が主となるのは、アスピリンやNSAIDs(ロキソプロフェン等)の過量服用です。
心臓:誤り アセトアミノフェン自体に強い心毒性はありません。循環動態への直接的な影響は少なく、本症例でも血圧や脈拍は比較的安定しています。
肺:誤り 呼吸抑制や肺水腫を直接引き起こす薬剤ではありません。呼吸数が24/分とやや速いのは、腹痛による苦痛や、代謝性アシドーシス(肝不全進行時)を代償しようとしている可能性が考えられます。
服用から「3日後」という設定は、まさに肝壊死がピークに達する危険なタイミングです。現場では意識がはっきりしていても、急速に悪化する恐れがあるため迅速な搬送が求められます。
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