2026年1月4日日曜日

第48回A問題 問12

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12 血液がアルカリ性に傾くのはどれか。1つ選べ。

1 窒息

2 過換気

3 ショック

4 慢性腎不全

5 COPD(慢性閉塞性肺疾患)


解答 2 



【オリジナル解説】

1. 基本原理:pHと二酸化炭素の関係 人体の血液は通常 pH 7.40 ± 0.05 という弱アルカリ性に保たれています。このバランスを左右する大きな要因が、体内の二酸化炭素(CO2)の量です。 •CO2 は水と反応すると「酸」として働きます。 •CO2 が増えると、血液は**酸性(アッシドーシス)**に傾きます。 •CO2 が減ると、血液は**アルカリ性(アルカローシス)**に傾きます。


2. 各選択肢の分析 • 選択肢2:過換気(正解) 精神的動揺や過換気症候群により、必要以上に激しく呼吸を行うと、肺から大量のCO_2が排出されます。体内のCO_2が減少(低炭酸ガス血症)するため、血液はアルカリ性に傾きます。これを**「呼吸性アルカローシス」**と呼びます。 • 選択肢1:窒息(誤り) 気道が閉塞して換気ができなくなると、体内にCO_2が蓄積します。これにより血液は酸性に傾きます(呼吸性アシドーシス)。 • 選択肢3:ショック(誤り) 組織への血流が不足すると、酸素を使わない代謝(無酸素性代謝)が行われ、乳酸が蓄積します。乳酸は「酸」であるため、血液は酸性に傾きます(代謝性アシドーシス)。 • 選択肢4:慢性腎不全(誤り) 腎臓は本来、酸(水素イオン)を排出し、アルカリ成分(重炭酸イオン)を再吸収する役割があります。腎機能が低下すると酸を排出できなくなるため、血液は酸性に傾きます(代謝性アシドーシス)。 • 選択肢5:COPD(慢性閉塞性肺疾患)(誤り) 肺のガス交換機能が低下し、慢性的にCO_2が体内に溜まりやすくなります。そのため、血液は酸性に傾きやすくなります(慢性の呼吸性アシドーシス)。

3. 救急救命士としての臨床ポイント:テタニー 過換気で血液がアルカリ性に傾くと、血中の遊離カルシウムイオンが減少します。これにより、神経やくすり(筋肉)の興奮性が高まり、手が硬直する「助産師の手(カーヴ・ペダル徴候)」や、口の周りのしびれといったテタニー症状が現れます。現場で「過換気=アルカローシス=テタニー」という結びつきを確認することは、適切な病態判断に不可欠です。


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