35 打診で鼓音を認める可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
1 血胸
2 気胸
3 肺炎
4 無気肺
5 気道狭窄
解答 2 11版P.563
【オリジナル解説】
正解は 2 気胸 です。
打診(診察)における「音」の変化は、胸郭内の**「空気」と「液体・固体」の比率**を反映します。救急現場での緊張性気胸の判断などに直結する重要な知識です。
各選択肢の解説
1 血胸
胸腔内に血液(液体)が溜まるため、打診音は**「濁音(だくおん)」**(鈍く重い音)になります。
2 気胸(正解)
胸腔内に空気(気体)が溜まり、肺が萎縮した状態です。太鼓を叩くような高く響く音である**「鼓音(こおん)」**、あるいは過共鳴音を認めます。
3 肺炎
肺胞内に炎症性の滲出液(液体)や膿が溜まるため、打診音は**「濁音」**になります。
4 無気肺
肺の一部に空気が入らなくなり、組織が潰れて固まった状態(固体に近い)になるため、打診音は**「濁音」**になります。
5 気道狭窄
気道が狭くなっている状態(喘息や異物など)では、肺全体の含気量が増える(閉塞性換気障害)ことはあっても、局所的な打診で明らかな鼓音を呈するよりは、呼吸音の異常(喘鳴)が主症状となります。
打診音のまとめ
救急現場や試験対策として、以下の対比を整理しておきましょう。
| 音の種類 | 特徴 | 関連する病態 |
| 清音 | 健康な肺の音 | 正常な肺 |
| 濁音 | 鈍く響かない音(水や肉に近い) | 血胸、胸水、肺炎、無気肺 |
| 鼓音 | 高く響く音(空気の塊に近い) | 気胸、腸管のガス(鼓腸) |
救命士としてのポイント
現場で「呼吸困難」を訴える外傷傷病者を診る際、左右の胸部を打診して片側が「鼓音」であれば気胸、片側が「濁音」であれば血胸の可能性を強く疑います。これに頸静脈怒張や血圧低下が加われば、緊急脱気が必要な「緊張性気胸」への警戒レベルを最大に引き上げる必要があります。
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