2026年1月4日日曜日

第48回B問題 第10問 異常呼吸のパターンと原因疾患に関する問題

   第48回救急救命士国家試験B問題はこちら

10 失調性呼吸を呈するのはどれか。1つ選べ。

1 気管支喘息

2 過換気症候群

3 高度脳幹障害

4 フレイルチェスト

5 糖尿病ケトアシドーシス


解答 3


【AIによる解説】


第10問は、異常呼吸のパターンと原因疾患に関する問題です。呼吸の「リズム」や「深さ」の乱れから、脳のどの部位に障害が起きているかを推測する能力が問われます。


解説:失調性呼吸と脳幹障害

正解は3(高度脳幹障害)です。

失調性呼吸(ビオー呼吸を含む広い意味での呼吸不全)は、呼吸中枢が存在する脳幹が強く圧迫されたり、損傷したりすることで発生します。

  • 3 高度脳幹障害:

    脳幹(特に延髄)は、呼吸のリズムを司るセンターです。脳出血や脳腫瘍、あるいは脳ヘルニアによってここが高度に障害されると、呼吸の深さもリズムも全くバラバラで不規則な「失調性呼吸」となります。これは心停止直前の極めて危険なサインです。


他の選択肢の呼吸パターン

  • 1 気管支喘息:

    気道の狭窄により、吐き出すのが困難になる「呼気性呼吸困難(呼気延長)」が特徴です。

  • 2 過換気症候群:

    不安やストレスにより、非常に速くて深い呼吸(頻呼吸)が続く状態です。

  • 4 フレイルチェスト(胸壁動揺):

    多発肋骨骨折により、吸気時に胸壁が凹み、呼気時に膨らむ「奇異性呼吸(シーソー呼吸)」が見られます。

  • 5 糖尿病ケトアシドーシス:

    酸性に傾いた体を中和するために、非常に深く、大きな呼吸が規則正しく続く「クスマウル呼吸」が特徴です。


救急救命士としての臨床的視点:異常呼吸の聞き分け

現場で傷病者の呼吸を観察する際は、以下の代表的な異常呼吸を瞬時に判別し、病態を予測します。

  1. クスマウル呼吸:

    「深く、大きく、規則的」。代謝性アシドーシス(糖尿病や尿毒症)を疑います。

  2. チェイン・ストークス呼吸:

    「小さな呼吸から徐々に大きくなり、また小さくなって一時停止する」という周期を繰り返します。重症の心不全や、脳大脳半球の広範な障害、薬物中毒などで見られます。

  3. 失調性呼吸:

    「深さもリズムも全く不規則」。延髄の障害を示唆し、そのまま心停止(下顎呼吸など)へ移行するリスクが非常に高い状態です。

覚え方のコツ:

延髄(脳幹)がやられると、リズムが失調してバラバラになる」と結びつけておきましょう。異常呼吸を見つけたら、すぐにB(呼吸)の危機と判断し、高度な気道確保や人工呼吸の準備を開始する必要があります。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。