2026年1月4日日曜日

第48回B問題 第24問 喫煙と呼吸器疾患の関連性に関する問題

  第48回救急救命士国家試験B問題はこちら

24 喫煙習慣が発症に深く関連すると考えられているのはどれか。1つ選べ。

1 胸膜炎

2 肺気腫

3 自然気胸

4 急性喉頭蓋炎

5 肺血栓塞栓症


解答 2


【AIによる解説】


第24問は、喫煙と呼吸器疾患の関連性に関する問題です。特に生活習慣が直接的な原因となる「予防可能な疾患」への理解が問われています。


解説:喫煙と慢性閉塞性肺疾患(COPD)

正解は2(肺気腫)です。

2 肺気腫:

  • 肺気腫は、長年の喫煙などによって肺胞(酸素と二酸化炭素を交換する小さな袋)が破壊され、弾力性が失われて肺が膨張したままになる病態です。

  • 喫煙が最大の原因であり、慢性気管支炎とともにCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と総称されます。患者の多くは長期の喫煙歴があり、「タバコ病」とも呼ばれるほど関連が深いです。


他の選択肢の病態と主な要因

  • 1 胸膜炎:

    肺を包む膜(胸膜)の炎症です。原因の多くは細菌感染(肺炎に伴うもの)や結核、癌の転移などであり、喫煙が直接的な発症機序となることは稀です。

  • 3 自然気胸:

    肺の一部が破れて空気が漏れる疾患です。「背が高く痩せ型の若い男性」に多く、肺胞の一部が袋状になった「ブラ」の破裂が原因です。喫煙によりリスクは高まりますが、発症の根底にあるのは体型や体質的な要因が強いです。

  • 4 急性喉頭蓋炎:

    細菌(インフルエンザ菌b型など)による感染症です。喫煙習慣よりも、免疫状態や感染機会が発症に関連します。

  • 5 肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群):

    下肢の静脈などにできた血栓が肺の血管に詰まる疾患です。主な要因は「長期間の不動状態(脱水)」「手術後の安静」「経口避妊薬の服用」などです。


救急救命士としての臨床的視点:COPD傷病者への対応

救急現場で肺気腫(COPD)の既往がある傷病者に接する際は、以下の点に注意が必要です。

  1. 「ビール樽状」の胸郭:

    肺が膨らんだままになるため、胸が前後方向に厚くなる特徴的な外見(樽状胸)を呈することがあります。

  2. 口すぼめ呼吸:

    気道が潰れないように、唇をすぼめてゆっくり息を吐く動作が見られます。

  3. 高濃度酸素投与のリスク(CO2ナルコーシス):

    COPDの傷病者は慢性的に二酸化炭素($CO_2$)が溜まっており、脳が「$CO_2$ 濃度」ではなく「低酸素」を刺激にして呼吸をしています。ここに高濃度の酸素を不用意に投与すると、脳が「酸素は十分ある」と判断して呼吸を止めてしまい、昏睡に陥る危険があります。

    • 救急現場では酸素投与が必要ですが、$SpO_2$ 88〜92%程度を目安に、過剰な投与を避ける慎重な管理が求められます。

まとめ:

タバコ = 肺胞が壊れる肺気腫(COPD)」という図式をしっかり押さえておきましょう。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。