2026年1月4日日曜日

第48回C問題 第8問 異物による気道閉塞(窒息)が疑われる場面での初動アセスメントについての問題

  第48回救急救命士国家試験C問題はこちら

8 80歳の男性。レストランで食事中に突然苦しみだしたため、店員が救急要請した。

 救急隊接触時、傷病者は椅子に座っており、喉に手を当て苦悶様の表情を呈している。

 救急隊がまず行うべき対応として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 酸素投与を開始する。

2 胸骨圧迫を開始する。

3 頸動脈の拍動を確認する。

4 声が出せるかを確認する。

5 気管挿管の指示要請を行う。


解答 4


【AIによる解説】


この問題は、異物による気道閉塞(窒息)が疑われる場面での初動アセスメントを問うものです。


解説:気道閉塞の評価手順

正解は4(声が出せるかを確認する)です。

レストランでの食事中に「突然苦しみだし」「喉に手を当てる(チョークサイン)」という状況は、典型的な急性気道閉塞を示唆します。このとき最も重要なのは、その閉塞が「完全」か「不完全(軽度)」かを瞬時に見極めることです。

  • 4 声が出せるかを確認する:

    • 「声が出せる、咳ができる」場合: 気道は完全には塞がっていません(軽度の閉塞)。この場合は無理な異物除去(背部叩打など)は行わず、自力で強く咳をさせるよう促します。

    • 「声が出せない、頷くだけ、咳ができない」場合: 完全に気道が塞がっています(重度の閉塞)。直ちに腹部突き上げ法(ハイムリック法)や背部叩打法を行い、物理的に異物を取り除く必要があります。

    • まず問いかけることで、この判断を最初に行います。


他の選択肢の分析

  • 1 酸素投与を開始する:

    気道が物理的に塞がっている状態で酸素を流しても、肺には届きません。まずは開通(異物除去)が先決です。

  • 2 胸骨圧迫を開始する / 3 頸動脈の拍動を確認する:

    これらは「反応がない(意識がない)」場合の手順です。現時点では椅子に座って苦悶の表情を浮かべており、意識があるため、まずは異物除去を試みます。意識を失った時点で、直ちに胸骨圧迫を開始します。

  • 5 気管挿管の指示要請を行う:

    現場での気道確保の最終手段ですが、まずは徒手的な異物除去を試みるのが手順(プロトコル)です。


救急救命士としての臨床的視点:窒息の対応

  1. チョークサインを見逃さない:

    喉をかきむしる、あるいは手を喉に当てる動作は、世界共通の「窒息のサイン」です。これを見た瞬間、異物除去のアルゴリズムに頭を切り替えます。

  2. 意識があるうちの異物除去:

    • 腹部突き上げ法(ハイムリック法): 傷病者の背後から腕を回し、みぞおちのあたりを素早く手前上方に突き上げます(※妊婦や乳児には禁忌)。

    • 背部叩打法: 肩甲骨の間を手のひらの付け根で強く叩きます。

  3. 意識を失った後の対応:

    異物除去中に傷病者がぐったりして意識を失った(反応がなくなった)場合は、心停止とみなして直ちに胸骨圧迫を開始します。この胸骨圧迫のポンプ作用によって異物が口元に移動してくることも多いため、口の中に異物が見えたら適宜取り除きます。

まとめ:

喉を詰まらせた人には、まず『声が出ますか?』と聞く。

これによって、見守るべきか、直ちに物理的な除去処置を行うべきかの分かれ道を判断します。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。