102 四肢の急性阻血症状に含まれないのはどれか。1つ選べ。
1 疼痛
2 麻痺
3 異常感覚
4 黒色壊死
5 脈拍消失
解答 4
【AIによる解説】
第102問は、四肢の急性動脈閉塞(急性阻血)で見られる特徴的な徴候、いわゆる「5P(または6P)」に関する知識を問う問題です。
解説:急性阻血の徴候(5P)と時間経過
正解は4です。
急性動脈閉塞(動脈塞栓症や血栓症など)が起こると、組織に全く血液が行かなくなり、数時間以内に急激な症状が現れます。これを英語の頭文字をとって5Pと呼びます。
Pain(疼痛): 突然の激しい痛み。
Pallor(蒼白): 血液が通わないため、皮膚が真っ白になる。
Pulselessness(脈拍消失): 閉塞部より末梢の動脈(足背動脈など)が触れなくなる。(選択肢5)
Paresthesia(異常感覚): しびれや感覚の低下。(選択肢3)
Paralysis(麻痺): 指などが動かせなくなる。(選択肢2)
※これに Poikilothermia(恒温性/冷感) を加えて6Pとすることもあります。
4 黒色壊死:
「壊死」は、阻血状態が放置され、組織が完全に死んでしまった最終的な結果です。急性期の「症状」として現れるものではなく、不可逆的な変化(手遅れの状態)を指すため、急性阻血の初期徴候には含まれません。
他の選択肢の分析
1 疼痛、2 麻痺、3 異常感覚、5 脈拍消失:
これらはいずれも、動脈が詰まった直後から現れる典型的な急性阻血症状(5P)です。特に「感覚麻痺(3)」や「運動麻痺(2)」が現れている場合は、筋肉や神経が死に始めているサインであり、極めて緊急性が高い(数時間以内に血流を再開させないと切断になる可能性がある)と判断します。
救急救命士としての臨床的視点:現場での観察
救急現場で「足が急に痛くなった」「動かなくなった」という訴えがあった際、以下の手順で急性阻血を疑います。
左右の比較:
必ず健側(痛くない方の足)と比べます。片方の足だけが明らかに白く、冷たい場合は、急性動脈閉塞を強く疑います。
脈拍の触知:
足背動脈や後脛骨動脈が触れるか確認します。触れない場合は閉塞の可能性が高く、心房細動(Af)などの不整脈がある傷病者では、心臓から血栓が飛んだ可能性も考慮します。
コンパートメント症候群との鑑別:
外傷(骨折や圧挫傷)に伴う場合は、筋肉内圧が上昇して阻血を起こすコンパートメント症候群の可能性もあります。
「黒色壊死」になる前に、いかに早く「5P」に気づいて専門医(血管外科)へ繋ぐかが、傷病者の肢体温存の分かれ道となります。
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