2025年12月24日水曜日

第48回A問題 第104問 顔面外傷の中でも特徴的な病態を示す眼窩吹き抜け骨折(ブローアウト骨折)の解剖学的な理解を問う問題

 第48回救急救命士国家試験A問題はこちら

104 眼窩吹き抜け骨折を生じる骨はどれか。1つ選べ。

1 鼻骨

2 頬骨

3 前頭骨

4 上顎骨

5 下顎骨


解答 4


【AIによる解説】


第104問は、顔面外傷の中でも特徴的な病態を示す眼窩吹き抜け骨折(ブローアウト骨折)の解剖学的な理解を問う問題です。


解説:眼窩吹き抜け骨折のメカニズムと解剖

正解は4です。

眼球が収まっているスペースを「眼窩(がんか)」と呼びますが、眼窩を囲む壁のうち、底面(床)内側の壁は非常に薄い骨でできています。

  • メカニズム:

    野球のボールや拳などが眼球に正面から当たると、眼窩内の圧力が急激に高まります。その逃げ場として、最も脆い「眼窩底」や「眼窩内壁」が外側(副鼻腔側)に向かって抜けるように折れます。

  • 関与する骨:

    眼窩の底面を構成している主たる骨は上顎骨(じょうがくこつ)です。そのため、眼窩底が骨折するということは、上顎骨の一部が折れることを意味します。(内壁の場合は篩骨が関与します)


他の選択肢の分析

  • 1 鼻骨: 顔面で最も突出しているため骨折しやすいですが、眼窩吹き抜け骨折の主体ではありません。

  • 2 頬骨: 眼窩の外側や下縁を構成しますが、非常に硬い骨です。頬骨が折れる場合は「頬骨骨折」として区別されます。

  • 3 前頭骨: 眼窩の天井(上壁)を構成します。ここが折れるには相当な衝撃が必要であり、吹き抜け骨折の典型部位ではありません。

  • 5 下顎骨: 下あごの骨です。眼窩の構成には一切関与していません。


救急救命士としての臨床的視点:特徴的な症状

現場で顔面(眼の周り)を強打した傷病者に接触した際、以下の症状があれば眼窩吹き抜け骨折を強く疑います。

  1. 眼球運動障害と複視:

    骨折部位に、目を動かす筋肉(下直筋など)が挟まってしまうことがあります。すると、「上を見ることができない」状態になり、物が二重に見える(複視)と訴えます。

  2. 眼球陥凹(がんきゅうかんおう):

    眼窩内の脂肪組織などが副鼻腔側に脱落するため、眼球が少し後ろに下がった(凹んだ)ように見えます。

  3. 頬のしびれ:

    上顎骨を通っている眼窩下神経が損傷されると、頬から上唇にかけて感覚が鈍くなることがあります。

現場での注意点:

鼻をかむと、骨折部位を通じて鼻腔内の空気が眼窩内に入り込み(眼窩気腫)、症状を悪化させたり感染を招いたりします。傷病者には「絶対に鼻をかまないように」指導することが重要です。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。