104 眼窩吹き抜け骨折を生じる骨はどれか。1つ選べ。
1 鼻骨
2 頬骨
3 前頭骨
4 上顎骨
5 下顎骨
解答 4
【AIによる解説】
第104問は、顔面外傷の中でも特徴的な病態を示す眼窩吹き抜け骨折(ブローアウト骨折)の解剖学的な理解を問う問題です。
解説:眼窩吹き抜け骨折のメカニズムと解剖
正解は4です。
眼球が収まっているスペースを「眼窩(がんか)」と呼びますが、眼窩を囲む壁のうち、底面(床)と内側の壁は非常に薄い骨でできています。
メカニズム:
野球のボールや拳などが眼球に正面から当たると、眼窩内の圧力が急激に高まります。その逃げ場として、最も脆い「眼窩底」や「眼窩内壁」が外側(副鼻腔側)に向かって抜けるように折れます。
関与する骨:
眼窩の底面を構成している主たる骨は上顎骨(じょうがくこつ)です。そのため、眼窩底が骨折するということは、上顎骨の一部が折れることを意味します。(内壁の場合は篩骨が関与します)
他の選択肢の分析
1 鼻骨: 顔面で最も突出しているため骨折しやすいですが、眼窩吹き抜け骨折の主体ではありません。
2 頬骨: 眼窩の外側や下縁を構成しますが、非常に硬い骨です。頬骨が折れる場合は「頬骨骨折」として区別されます。
3 前頭骨: 眼窩の天井(上壁)を構成します。ここが折れるには相当な衝撃が必要であり、吹き抜け骨折の典型部位ではありません。
5 下顎骨: 下あごの骨です。眼窩の構成には一切関与していません。
救急救命士としての臨床的視点:特徴的な症状
現場で顔面(眼の周り)を強打した傷病者に接触した際、以下の症状があれば眼窩吹き抜け骨折を強く疑います。
眼球運動障害と複視:
骨折部位に、目を動かす筋肉(下直筋など)が挟まってしまうことがあります。すると、「上を見ることができない」状態になり、物が二重に見える(複視)と訴えます。
眼球陥凹(がんきゅうかんおう):
眼窩内の脂肪組織などが副鼻腔側に脱落するため、眼球が少し後ろに下がった(凹んだ)ように見えます。
頬のしびれ:
上顎骨を通っている眼窩下神経が損傷されると、頬から上唇にかけて感覚が鈍くなることがあります。
現場での注意点:
鼻をかむと、骨折部位を通じて鼻腔内の空気が眼窩内に入り込み(眼窩気腫)、症状を悪化させたり感染を招いたりします。傷病者には「絶対に鼻をかまないように」指導することが重要です。
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