105 循環血液量減少性ショックを来す胸部外傷はどれか。1つ選べ。
1 血胸
2 心筋挫傷
3 横隔膜損傷
4 緊張性気胸
5 フレイルチェスト
解答 1
【AIによる解説】
第105問は、胸部外傷におけるショックの分類に関する問題です。ショックにはいくつかの原因がありますが、ここでは「出血によるもの(循環血液量減少性)」を特定する必要があります。
解説:胸部外傷とショックの病態
正解は1です。
ショックは、その原因によって「循環血液量減少性」「心外閉塞・拘束性」「心原性」「血液分布異常性」に分類されます。
1 血胸(けっきょう):
肺の損傷や胸壁の血管(肋間動脈など)の損傷により、胸膜腔内に血液が貯留した状態です。
片側の胸腔内には数リットルの血液が溜まるスペースがあるため、外からは見えない大量の「内部出血」が起こります。
その結果、血管内の血液量が足りなくなり、循環血液量減少性ショックを引き起こします。
他の選択肢の分析(ショックの分類)
2 心筋挫傷:
心臓そのものが打撃を受けてポンプ機能が低下するものです。これは心原性ショックの原因となります。
4 緊張性気胸:
漏れ出た空気が胸腔内に充満し、心臓に戻る静脈(大静脈)を圧迫して血液が戻れなくなる状態です。これは心外閉塞・拘束性ショックに分類されます。
5 フレイルチェスト(連鎖肋骨骨折):
複数の肋骨が折れて胸壁が不安定になり、呼吸の効率が著しく低下するものです。主に呼吸不全を引き起こしますが、激しい痛みや合併する肺挫傷による低酸素からショックに移行することもあります。ただし、直接のメカニズムとして循環血液量を減らすものではありません。
3 横隔膜損傷:
腹部臓器が胸腔内に脱出し、肺を圧迫して呼吸不全を招きます。
救急救命士としての臨床的視点:現場での見極め
胸部外傷でショック(顔面蒼白、冷汗、頻脈、血圧低下)を認める場合、以下の2つを迅速に鑑別する必要があります。
緊張性気胸か、血胸か:
頸静脈の怒張(ふくらみ)があれば、血液は足りているが戻れない緊張性気胸を疑います。
頸静脈の虚脱(ぺったんこ)であれば、血液自体が足りていない血胸を疑います。
打診と聴診:
肺の音が聞こえない側で、叩いたときに「太鼓のような音(鼓音)」なら空気(気胸)、「濁った音(濁音)」なら血液(血胸)の貯留を示唆します。
「胸の中にどれだけの血が隠れているか」を予測することは、ロード・アンド・ゴー(迅速搬送)を判断する上で極めて重要なスキルです。特に血胸は、輸液だけでは根本解決にならず、病院での迅速な胸腔ドレナージと止血術が必要です。
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