82 症候と消化器疾患の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。
1 便秘-急性胃腸炎
2 黄疸-アニサキス症
3 発熱-上腸間膜動脈閉塞症
4 血性下痢-虚血性大腸炎
5 下腹部痛-十二指腸潰瘍
解答 4
【AIによる解説】
第82問は、消化器疾患とその特徴的な症状(症候)の組み合わせに関する問題です。それぞれの疾患が腹部のどの部位に起こり、どのような身体的変化をもたらすかを整理することが正解への近道です。
解説:虚血性大腸炎と血性下痢
正解は4です。
虚血性大腸炎は、大腸へ血液を送る血管が一時的に詰まったり細くなったりすることで、大腸の粘膜がダメージを受ける疾患です。
病態: 高血圧や便秘、動脈硬化がある高齢者に多く、特に左側の大腸(下行結腸やS状結腸)に起こりやすいのが特徴です。
症状: 突然の左下腹部痛に続き、その直後に鮮血便(血性下痢)が認められます。これは傷ついた粘膜から出血が起こるためです。
他の選択肢の分析(誤っている組み合わせ)
1 便秘 - 急性胃腸炎:
急性胃腸炎の主な症状は、激しい下痢、嘔吐、腹痛です。便秘になることは通常ありません。
2 黄疸 - アニサキス症:
アニサキス症は魚介類に寄生するアニサキス幼虫によるもので、激しい上腹部痛や嘔吐が主症状です。黄疸(皮膚や白目が黄色くなる症状)は、肝臓や胆道、膵臓の疾患(胆石や胆管がんなど)で見られます。
3 発熱 - 上腸間膜動脈閉塞症:
この疾患の最大の特徴は、「腹部の所見に見合わない激しい腹痛」です。発症初期には発熱は目立たず、むしろショック状態に陥る危険が高い超緊急疾患です(経過とともに腸管が壊死すれば発熱することもありますが、特徴的な症候とは言えません)。
5 下腹部痛 - 十二指腸潰瘍:
十二指腸は胃のすぐ出口にあるため、痛みは「みぞおち(心窩部)」や右上腹部に現れます。空腹時に痛みが強まり、食事を摂ると和らぐのが特徴です。下腹部痛は、主に大腸や泌尿器、婦人科系の疾患で認められます。
救急救命士としての臨床的視点
現場で「お腹が痛くて血便が出た」という傷病者に接触した際、以下の点を確認すると疾患の絞り込みに役立ちます。
痛みの部位: 左下腹部であれば虚血性大腸炎、右下腹部であれば虫垂炎や憩室炎の可能性を考えます。
血便の性質: 真っ赤な鮮血か(虚血性大腸炎など)、それとも黒いタール便か(胃・十二指腸潰瘍など)を確認することで、出血部位が上部消化管か下部消化管かを推測できます。
バイタルサイン: 血性下痢がある場合、出血量によってはショック(低容量性ショック)に移行するリスクがあるため、顔色や血圧の変動に注意が必要です。
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