90 興奮している傷病者への対応について適切なのはどれか。1つ選べ。
1 説得する。
2 穏やかに話す。
3 笑顔を見せる。
4 複数人で話をする。
5 アイコンタクトを保つ。
解答 2
【AIによる解説】
第90問は、興奮状態にある傷病者(激高、錯乱、精神運動興奮など)への接遇とコミュニケーションに関する問題です。現場の安全を確保しつつ、事態を悪化させない(ディエスカレーション)ための基本的な振る舞いが問われています。
解説:興奮した傷病者へのデエスカレーション
正解は2です。
興奮している傷病者は、恐怖や不安、あるいは精神疾患や薬物の影響により、外部からの刺激に対して非常に敏感になっています。
穏やかに話す:
救急救命士が低いトーンで、ゆっくり、穏やかに話しかけることは、傷病者の高ぶった感情を鎮めるために最も有効な手段の一つです。これを「感情の鏡(ミラーリング)」の逆用と言い、こちらが冷静さを保つことで、相手の興奮を少しずつ引き下げていく効果があります。
他の選択肢の分析(不適切な対応)
1 説得する:
興奮している相手に正論で「落ち着きなさい」「そんなことをしても無駄だ」と説得しようとすると、相手は「否定された」「コントロールされようとしている」と感じ、さらに反発して興奮が強まる恐れがあります。
3 笑顔を見せる:
一見良さそうに思えますが、興奮状態や被害妄想がある傷病者にとって、救急隊の笑顔は「馬鹿にされている」「あざ笑われている」と誤解されるリスクがあり、攻撃性を高める原因になりかねません。真剣かつ穏やかな表情が望ましいです。
4 複数人で話をする:
多くの人に囲まれて代わる代わる話しかけられると、傷病者は威圧感や混乱を感じ、パニックを助長します。対応する隊員を原則1人に固定し、他の隊員は周囲の安全確認やバックアップに回るのが基本です。
5 アイコンタクトを保つ:
じっと目を見つめ続ける行為は、動物行動学的にも「敵意」や「威嚇」と捉えられることがあります。特に興奮している相手に対しては、適度に視線を外し、威圧感を与えないように配慮することが重要です。
救急救命士としての臨床的視点
現場で興奮した傷病者に対応する際は、以下の「安全」と「コミュニケーション」の原則を徹底します。
安全な距離(パーソナルスペース)の確保:
相手の手が届く範囲には入らず、逃げ道を確保した位置取りをします。
非言語的コミュニケーション:
腕組みをしたり、腰に手を当てたりせず、リラックスした姿勢を見せます。
共感的理解:
「お辛いんですね」「お話を聞きに来ました」と、まずは相手の現在の状態を認める言葉をかけます。
興奮の原因が、低血糖や低酸素脳症、頭部外傷といった身体的要因である可能性も常に念頭に置き、安全が確保され次第、速やかにバイタルサインの測定や身体評価へ移行する必要があります。
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