95 肺胞死腔を生じる疾患はどれか。1つ選べ。
1 肺炎
2 無気肺
3 肺水腫
4 肺線維症
5 肺血栓塞栓症
解答 5
【AIによる解説】
第95問は、呼吸生理学における死腔(しくう)の概念、特に肺胞死腔が発生するメカニズムに関する問題です。「換気」と「血流」のバランスをイメージできるかが正解への鍵となります。
解説:肺胞死腔と肺血栓塞栓症
正解は5です。
死腔とは、呼吸によって取り込まれた空気のうち、ガス交換(酸素と二酸化炭素の入れ替え)に寄与しない部分を指します。その中でも肺胞死腔は、「肺胞に空気は届いているが、血流がないためにガス交換ができない」状態を指します。
5 肺血栓塞栓症:
足などの静脈でできた血栓が流れていき、肺の動脈(肺動脈)に詰まる疾患です。
肺胞には空気が入ってくる(換気は維持)
しかし、血管が詰まっているため、その肺胞の周りを血液が流れない(血流が途絶)
その結果、その肺胞はガス交換の役に立たなくなり、肺胞死腔となります。
他の選択肢の分析(換気と血流の不均衡)
他の選択肢は、主に「血流はあるが、空気(換気)が届かない」ためにガス交換ができなくなる病態であり、これらは「シャント」と呼ばれます。
1 肺炎:
肺胞の中に炎症による滲出液(液体)が溜まるため、空気が入り込めなくなります。
2 無気肺:
肺胞がつぶれてしまい、空気が入らなくなった状態です。
3 肺水腫:
毛細血管から漏れ出した液体が肺胞に溜まり、ガスの通り道を塞いでしまいます。
4 肺線維症:
肺胞の壁(間質)が厚く硬くなり、酸素が通りにくくなる疾患です。これは「拡散障害」に分類されます。
救急救命士としての臨床的視点:V/Qミスマッチ
呼吸不全の病態を理解する上で、換気(V)と血流(Q)の比率(V/Q比)という考え方が重要です。
V/Q = ∞(無限大):
空気はあるが血流ゼロ。これが肺血栓塞栓症(肺胞死腔)です。
V/Q = 0(ゼロ):
血流はあるが空気ゼロ。これが無気肺や肺炎(シャント)です。
現場で、突然の呼吸困難と胸痛を訴える傷病者に接触した際、肺の音(呼吸音)に異常がないのに血中酸素飽和度(SpO2)が著しく低い場合、この「肺胞死腔」が生じている肺血栓塞栓症を強く疑う必要があります。
この問題で死腔のメカニズムを整理しておくと、ショックや呼吸器疾患の深い理解につながります。
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