11 あなたは通信指令員である。路上で老人が倒れていて声をかけても全く反応がないとの携帯電話からの救急要請が若い女性から入った。周囲には全く人影がないという。あなたは次のように通話した。
「すでに救急車の手配は行いました。救命処置をしていただきたいので携帯電話をスピーカーモードにしてください。(A胸と腹の動きを見て呼吸しているか確認してください。)(B呼吸しているかわからなければすぐに胸骨圧迫をしてください。)(C人工呼吸は行わなくても構いません。胸骨圧迫のみ続けてください。)(D胸骨圧迫は1秒間に2回のテンポで行ってください。)(E胸骨圧迫は2分毎に中断して声をかけて反応があるか確認してください。)まもなく救急隊が着きます。」
口頭指導として適切でないのはどれか。1つ選べ。
1 A
2 B
3 C
4 D
5 E
解答 5
正解:5(E)
解説
口頭指導(テレフォンCPR)において、**E「胸骨圧迫を2分毎に中断して確認すること」**は、現在のガイドラインでは不適切とされています。
中断の最小化(ハンズオフタイムの短縮) 胸骨圧迫を中断すると、脳や心臓への血流(灌流圧)が急激に低下します。一度低下した圧を再び上げるには数回の圧迫が必要になるため、救急隊が現場に到着して交代するまで、胸骨圧迫は可能な限り休まずに続けることが推奨されています。
バイスタンダーへの指導 一般市民(特に周囲に誰もいない状況の女性)に対して、2分毎に中断して評価を求めることは、蘇生効率を下げるだけでなく、通報者を混乱させ、疲労を早める原因にもなります。
他の選択肢が適切な理由
1(A:呼吸の確認) 「反応がない」という情報に対し、まず呼吸を確認させるのは初期評価の基本です。
2(B:判断に迷ったら開始) 一般市民にとって、死戦期呼吸と正常な呼吸を判断するのは困難です。「呼吸しているかわからない(迷う)」場合は、心停止とみなして直ちに胸骨圧迫を開始させるよう指導します。
3(C:ハンズオンリーCPR) 一般市民、特に感染症リスクや技術的ハードルがある場合、口頭指導では「胸骨圧迫のみ(ハンズオンリーCPR)」を推奨します。これにより、胸骨圧迫の開始までの時間を短縮できます。
4(D:テンポの指導) 胸骨圧迫の適切なテンポは「100〜120回/分」です。「1秒間に2回」という表現は、1分間で120回に相当するため、適切な口頭指導の表現として認められています。
救急隊員としての視点
現場に到着した際、通報者が適切な口頭指導によって絶え間なく胸骨圧迫を継続してくれていたかどうかは、その後のROSC(自己心拍再開)率に直結します。
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