24 82歳の男性。突然の左側腹部から下腹部にかけての痛みを自覚し、その後血性下痢があったため家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数24/分。脈拍108/分、不整。血圧108/60mmHg。体温37.8℃。Sp02値94%。腹部は疼痛部位に圧痛を認めるのみで、反跳痛は認められない。
この傷病者の病変部位として可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
1 十二指腸
2 空腸
3 回腸
4 結腸
5 肛門
解答 4
解答:4 結腸
各選択肢の解説
選択肢 1・2・3:十二指腸・空腸・回腸(誤り) これらは「小腸」に分類されます。小腸からの出血の場合、血液が消化液と混ざり、肛門に達するまでに変色するため、黒色便(タール便)になるのが一般的です。本症例のような「鮮明な血性下痢」とは合致しません。
選択肢 4:結腸(正解) 「突然の側腹部痛」に続く「血性下痢」は、虚血性結腸炎の典型的な症状です。特に左側の結腸(下行結腸や脾彎曲部)は血流が滞りやすく、好発部位となります。また、背景に「脈拍不整(心房細動の疑い)」がある場合、血栓が結腸の血管に詰まる機序も考慮されます。
選択肢 5:肛門(誤り) 痔核などの肛門疾患でも出血は見られますが、腹痛(側腹部から下腹部)を伴うことはまずありません。発熱(37.8℃)や頻脈があることからも、より中枢側の腸管粘膜に炎症や壊死が起きていると考えられます。
現場活動のポイント
虚血性結腸炎は多くの場合、保存的治療で軽快しますが、中には「腸管壊死」や「穿孔」に至る重症例(腹膜刺激症状が出現する)も存在します。本症例では現時点で反跳痛はありませんが、搬送中の容態変化に注意し、循環動態(血圧・脈拍)の維持を優先してください。
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