30 吸気において肋間筋の果たす割合が最も高くなるのはどれか。1つ選べ。
1 新生児
2 高齢者
3 成人男性
4 妊娠末期の女性
5 下位頸髄損傷の傷病者
解答 4 11版P.303
【オリジナル解説】
正解は 4 妊娠末期の女性 です。
呼吸のメカニズム(外呼吸)において、横隔膜と肋間筋のどちらを主役として使っているかを問う問題です。
各選択肢の解説
1 新生児 新生児や乳児は、肋骨が水平で胸郭を広げる余地が少ないため、呼吸のほとんどを横隔膜の上下運動(腹式呼吸)に頼っています。
2 高齢者 加齢に伴い胸郭(肋軟骨など)が硬くなり、肋間筋の筋力も低下するため、胸式呼吸の効率は落ちる傾向にあります。
3 成人男性 一般的に成人男性は、腹式呼吸(横隔膜)の割合が高い傾向にあります。
4 妊娠末期の女性(正解) 妊娠末期では、大きくなった子宮が横隔膜を押し上げるため、横隔膜が十分に下がることができません。そのため、不足分を補うために胸郭を広げる**「胸式呼吸」**への依存度が高まり、外肋間筋を多用することになります。
5 下位頸髄損傷の傷病者 頸髄損傷(特にC5以下)では、肋間筋を支配する胸髄神経が麻痺するため、肋間筋は機能しません。一方で横隔膜を支配する横隔神経(C3-C5)は生き残るため、「完全な腹式呼吸」(矛盾呼吸を伴うこともある)となります。
救急救命士試験のポイント:呼吸筋の支配
現場での麻痺レベルの判定にも直結する知識です。
横隔膜(主呼吸筋):**横隔神経(C3〜C5)**支配
外肋間筋(吸気筋):**胸神経(Th1〜Th11)**支配
内肋間筋(呼気筋):**胸神経(Th1〜Th11)**支配
「お腹だけで息をしている(腹式呼吸)」=「胸の筋肉(肋間筋)が動いていない」=「胸髄あるいは下位頸髄の損傷」という推論のプロセスが、救急現場での迅速な状況評価に繋がりますね。
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