15 救急隊員が行う心肺蘇生において、全心肺蘇生時間に対する胸骨圧迫施行時間の目標として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 100%
2 80%以上
3 50%以上
4 30%以上
5 10%以上
解答 2
【AIによる解説】
第15問は、胸骨圧迫の質とチェストコンプレッション・フラクション(CCF)に関する問題です。高品質な心肺蘇生(CPR)を維持するために、救急隊員が目指すべき具体的な指標が問われています。
解説:胸骨圧迫施行時間(CCF)の目標
正解は2(80%以上)です。
心肺蘇生を行っている全時間のうち、実際に胸骨圧迫を行っている時間の割合をCCF(Chest Compression Fraction:胸骨圧迫分画)と呼びます。
2 80%以上:
JRC(日本蘇生協議会)のガイドラインや救急救命士教本において、救急隊員(プロの救助者)が目指すべき目標値として「少なくとも60%以上、可能であれば80%以上」とされています。
胸骨圧迫を中断すると、それまで維持されていた脳や心臓への血流(冠動脈灌流圧)が急激に低下し、再開しても元の血流に戻るまでには時間がかかります。そのため、「絶え間ない胸骨圧迫」が生存率向上のカギとなります。
なぜ100%ではないのか?
1 100%:
理想ではありますが、現実には「人工呼吸」「心電図解析」「除細動(ショック)」「リズムチェック」「搬送のための移動」など、どうしても中断せざるを得ない瞬間があるため、物理的に不可能です。そのため、「中断を最小限にする」という考え方で80%以上を目指します。
救急救命士としての臨床的視点:CCFを高める工夫
現場で80%以上のCCFを達成するために、救急隊は以下のようなチーム・ダイナミクスを意識します。
「あらかじめ」の準備:
心電図解析や除細動の直前まで圧迫を続け、ショック直後も波形を見ずに直ちに圧迫を再開します(コーチング・ポーズの最小化)。
交代の迅速化:
圧迫者が疲れる前に(2分ごとが目安)、最小限の中断(10秒以内)で交代します。
高度な気道確保の活用:
気管挿管や声門上デバイスが挿入された後は、人工呼吸のための圧迫中断が不要(同期させない連続圧迫)になるため、CCFを飛躍的に高めることができます。
機械的胸骨圧迫装置の導入:
階段の昇降や狭い場所での搬送中など、手動では圧迫が途切れがちな場面で装置を使用し、高いCCFを維持します。
まとめ:
「胸骨圧迫は絶え間なく。中断は10秒以内、CCFは80%以上を目指す」という数字は、救急救命士の国家試験において非常に重要な指標です。
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