2026年1月4日日曜日

第48回B問題 第16問 成人の一次救命処置(BLS)における手順と判断のポイントを問う問題

   第48回救急救命士国家試験B問題はこちら

16 救急隊員による成人の一次救命処置について適切なのはどれか。1つ選べ。

1 脈拍の有無は頸動脈で確認する。

2 心停止の判断に10秒以上かける。

3 人工呼吸から心肺蘇生を開始する。

4 電気ショック直後に脈拍を確認する。

5 胸骨圧迫中にパルスオキシメータを観察する。


解答 1


【AIによる解説】


第16問は、成人の一次救命処置(BLS)における手順と判断のポイントを問う問題です。救急救命士や救急隊員(プロの救助者)としての評価基準を正確に理解しているかが重要です。


解説:救急隊員によるBLS

正解は1(脈拍の有無は頸動脈で確認する)です。

  • 1 脈拍の有無は頸動脈で確認する:

    市民救助者は「反応の確認」と「普段通りの呼吸の有無」だけで心停止を判断しますが、救急隊員などの医療従事者は、それに加えて脈拍の確認を行います。成人の場合、最も確実で触知しやすい頸動脈を5秒以上10秒以内で確認します。


他の選択肢の分析(誤っている点)

  • 2 心停止の判断に10秒以上かける(誤):

    脈拍の確認や呼吸の観察を含め、判断にかける時間は「10秒以内」です。10秒以上迷う場合は、心停止とみなして直ちに胸骨圧迫を開始しなければなりません。

  • 3 人工呼吸から心肺蘇生を開始する(誤):

    現在のガイドラインでは、胸骨圧迫の遅れを防ぐため、「胸骨圧迫から開始する(C-A-Bの手順)」のが原則です(溺水や呼吸原性心停止が明らかな場合を除く)。

  • 4 電気ショック直後に脈拍を確認する(誤):

    電気ショックを行った後は、心リズムや脈拍の確認をせず、直ちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開します。心臓が動き出したとしても、直後は有効な循環が保てないことが多いためです。リズム確認は2分間のCPR後に行います。

  • 5 胸骨圧迫中にパルスオキシメータを観察する(誤):

    胸骨圧迫中は身体が激しく揺れるため、パルスオキシメータ($SpO_2$)の波形や数値は正しく表示されません。CPR中の循環評価の指標としては不適切です。


救急救命士としての臨床的視点:中断の最小化

プロの救助者として、以下の「質の高いCPR」を徹底します。

  1. 「死戦期呼吸」を見逃さない:

    心停止直後に見られる、あえぐような呼吸を「呼吸あり」と誤認して蘇生を遅らせないよう注意が必要です。

  2. リズムチェック・脈拍確認は迅速に:

    AEDの解析中や交代時の中断は10秒以内を目指します。

  3. 呼気二酸化炭素モニター(カプノメータ)の活用:

    CPR中にパルスオキシメータは使えませんが、カプノメータは有効です。もし数値が急上昇(35〜40 mmHg程度へ)すれば、自己心拍再開(ROSC)の兆候として信頼性の高い指標となります。

まとめ:

脈拍確認は10秒以内、頸動脈で。迷ったらすぐ押す。ショック後もすぐ押す」というリズムを徹底しましょう。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。