23 急性腰痛症の特徴と考えられる所見はどれか。1つ選べ。
1 安静で症状が軽減する。
2 膀胱直腸障害を認める。
3 下肢の筋力低下を認める。
4 下肢の感覚障害を認める。
5 下肢伸展挙上テストが陽性である。
解答 1
【AIによる解説】
第23問は、いわゆる「ぎっくり腰」を含む急性腰痛症と、より重篤な脊椎・神経疾患を鑑別する能力を問う問題です。
解説:急性腰痛症(非特異的腰痛)の特徴
正解は1(安静で症状が軽減する)です。
急性腰痛症は、腰椎の捻挫や筋肉の損傷などが原因で起こる「非特異的腰痛」の代表格です。
1 安静で症状が軽減する:
動作時に激痛が走りますが、横になって安静にすることで痛みが和らぐのが大きな特徴です。逆に、安静にしていても痛みが全く変わらない、あるいは夜間に激痛で目が覚める(夜間痛)といった場合は、癌の骨転移や化膿性脊椎炎、大動脈解離などの「危険な腰痛」を疑う必要があります。
他の選択肢の分析(重篤な疾患を示唆する赤信号:レッドフラッグ)
選択肢2〜5は、単なる腰痛ではなく、神経が強く圧迫されているサイン(神経学的所見)です。これらがある場合は、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、最悪の場合は緊急手術が必要な「馬尾症候群」などを疑います。
2 膀胱直腸障害を認める:
尿が出にくい、便失禁などの症状です。馬尾神経が高度に圧迫されている証拠であり、緊急性の極めて高い異常所見です。
3 下肢の筋力低下 / 4 下肢の感覚障害:
足に力が入らない、痺れる、感覚が鈍いといった症状は、神経根や脊髄の障害を示唆します。
5 下肢伸展挙上(SLR)テストが陽性:
仰向けで足を伸ばしたまま挙上した際に、腰や足に激痛が走るテストです。主に腰椎椎間板ヘルニアで陽性となります。
救急救命士としての臨床的視点:腰痛に隠れた「真の緊急事態」
救急現場で「腰が痛い」という通報を受けた際、以下の疾患を常に除外(ルールアウト)しながらアセスメントします。
血管系疾患(最重要):
腹部大動脈瘤破裂や急性大動脈解離です。「突然発症」し、「安静にしても全く痛みが引かない」「腹部拍動性腫瘤がある」「血圧に左右差がある」といった場合は、一刻を争う搬送が必要です。
レッドフラッグの確認:
50歳以上(または20歳未満)での初発
癌の既往
ステロイド薬の使用
発熱(脊椎炎の疑い)
尿失禁(馬尾症候群の疑い)
内臓疾患からの放散痛:
尿路結石、腎盂腎炎、膵炎なども腰痛として現れることがあります。
まとめ:
「急性腰痛症(ぎっくり腰)は、寝れば少し楽になる。もし寝ても地獄の苦しみなら、他の重大な病気を疑え」と覚えておきましょう。
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