2026年1月4日日曜日

第48回B問題 第27問は、熱傷の深さの分類に関する問題

  第48回救急救命士国家試験B問題はこちら

27 Ⅲ度熱傷で特徵的なのはどれか。1つ選べ。

1 疼痛

2 発赤

3 水疱形成

4 表皮剥離

5 伸展性消失


解答 5


【AIによる解説】


第27問は、熱傷(やけど)の深さの分類に関する問題です。熱傷はその深さによってⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分けられますが、その違いを正しく見極めることは、重症度判定と搬送先選定において非常に重要です。


解説:熱傷の深度分類

正解は5(伸展性消失)です。

5 伸展性消失:

  • Ⅲ度熱傷は、皮膚の全層(表皮・真皮)だけでなく、皮下組織までダメージが及んだ状態です。

  • 皮膚のタンパク質が凝固して、硬く乾いた「焼痂(しょうか)」と呼ばれる状態になります。皮膚の弾力性が完全に失われるため、指で押しても形が変わらなかったり、引っ張っても伸びなかったりする「伸展性消失」が特徴です。


他の選択肢の分析(主にⅠ度・Ⅱ度の特徴)

  • 1 疼痛:

    意外かもしれませんが、Ⅲ度熱傷では痛みを感じません。 神経末梢まで焼き切れてしまっているためです。強い痛み(劇痛)を伴うのは、神経が露出するⅡ度熱傷(特に浅在性)の特徴です。

  • 2 発赤:

    皮膚が赤くなるのは、表皮のみが損傷したⅠ度熱傷(日焼けなど)の特徴です。

  • 3 水疱(すいほう)形成:

    水ぶくれができるのはⅡ度熱傷の最大の特徴です。

  • 4 表皮剥離(ひょうはくり):

    皮膚が剥がれる状態はⅡ度熱傷でよく見られます。Ⅲ度熱傷では、剥がれるよりも「革製品のように硬く固着する(白色や黒色に変色する)」という表現が適切です。


救急救命士としての臨床的視点:搬送の判断

現場で熱傷の深さを判断する際は、以下のポイントを確認します。

  1. 痛みの有無を確認する:

    ひどい見た目なのに「あまり痛くない」と傷病者が言う場合、逆にⅢ度(重症)の可能性が高く、非常に危険です。

  2. 色の観察:

    • 赤い = Ⅰ度〜浅在性Ⅱ度

    • 白い、または黒い(炭化) = Ⅲ度

  3. 9の法則(Rule of Nines):

    深さだけでなく、範囲(面積)も重要です。体表面積の何%が熱傷を負っているかを算出し、成人の場合はⅡ度以上が15%以上、あるいはⅢ度が2%以上あれば、熱傷専門の医療機関への搬送を検討します。

  4. 気道熱傷の疑い:

    鼻毛が焦げている、煤(すす)が混じった痰が出る、声が枯れている(嗄声)といった場合は、熱を帯びた空気を吸い込んだことによる「気道熱傷」を強く疑い、気道閉塞に備える必要があります。

まとめ:

Ⅲ度は神経まで死んでいるから痛くないし、革のように硬くなって伸びない(伸展性消失)」と覚えておきましょう。

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プロフィール

  某政令指定都市 指導救命士 指導係長を経て救命士王となる。