3 死体現象で晚期に出現するのはどれか。1つ選べ。
1 死斑
2 角膜混濁
3 自家融解
4 死後硬直
5 体温低下
解答 3
【AIによる解説】
第3問は、法医学における死体現象の時系列的な分類を問う問題です。救急現場での死亡確認や「明らかに死亡している」状態(社会死)の判断に欠かせない知識です。
解説:早期死体現象と晩期死体現象
正解は3(自家融解)です。
死体現象は、出現するまでの時間によって「早期」と「晩期」に分けられます。
3 自家融解(じかゆうかい):
生体内に備わっている消化酵素などによって、死後、組織が自ら溶けて軟らかくなる現象です。
早期死体現象(死後数時間〜24時間以内)に続いて起こり、腐敗などとともに晩期死体現象に分類されます。特に膵臓や胃粘膜などで早く進みます。
他の選択肢の分析(すべて早期死体現象)
選択肢1、2、4、5は、死後数分から数時間以内に現れ始める早期死体現象です。
1 死斑(しはん):
死後、血液が重力に従って低い位置に沈殿し、皮膚に斑点として現れる現象。死後20〜30分から始まり、12〜15時間で固定されます。
2 角膜混濁:
目の角膜が白く濁る現象。死後、早いものでは数時間から始まり、24時間程度で著明になります。
4 死後硬直:
筋肉中のATP(エネルギー源)が枯渇することで全身が硬くなる現象。一般に顎(あご)→頸部→上肢→下肢の順に進みます。死後2〜3時間で始まり、12〜15時間で最大となります。
5 体温低下(死冷):
周囲の気温(外気温)まで体温が下がっていく現象。直腸温などで測定され、死後の経過時間を推定する指標になります。
救急救命士としての臨床的視点:社会死の判断基準
救急隊が現場に到着した際、心肺蘇生(CPR)を開始せずに「不搬送(社会死)」と判断するための根拠として、以下の死体現象が重要視されます。
早期死体現象の確認:
明確な死斑: 圧迫しても消えない強い死斑がある。
高度な死後硬直: 関節が動かないほど硬直している。
これらの現象は、心肺停止からかなりの時間が経過していることを示すため、蘇生の適応外と判断する材料になります。
晩期死体現象(腐敗・乾燥など):
自家融解が進み、腐敗臭や皮膚の変色、ウジの発生などが認められる場合は、さらに長期間経過していることが分かります。
死体現象の時系列まとめ
| 区分 | 主な現象 |
| 早期死体現象 | 死冷(体温低下)、死斑、死後硬直、角膜混濁 |
| 晩期死体現象 | 自家融解、腐敗、白骨化、(ミイラ化・死ろう化) |
「自家融解」は組織が溶け出す段階であり、目に見える変化としては早期現象の後に続くもの、とイメージしておきましょう。
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