6 傷病者の搬送中に生じた次の事案で医療事故に該当するのはどれか。1つ選べ。
1 傷病者の家族から暴言があった。
2 停車中に他の車両に追突された。
3 傷病者の気管カニューレが抜けた。
4 傷病者の持ち物を現場に置き忘れた。
5 電話の不感地帯で搬送先への報告が遅れた。
解答 3
【AIによる解説】
第6問は、救急活動における医療事故の定義を問う問題です。救急現場では様々なトラブルが発生しますが、「何が医療事故にあたるのか」を正しく分類できる能力は、リスクマネジメントの観点から非常に重要です。
解説:医療事故の定義と分類
正解は3(傷病者の気管カニューレが抜けた)です。
厚生労働省などの定義によれば、医療事故とは「医療の全過程において、医療従事者の過失の有無を問わず、傷病者に発生した予期せぬ身体的・精神的被害」を指します。
3 傷病者の気管カニューレが抜けた:
気管カニューレは気道を確保するための重要な医療器具です。これが搬送中に抜けることは、傷病者の呼吸状態に直結する身体的被害(またはその危険性)を及ぼす事象であるため、医療事故に該当します。
救急隊側の過失(固定不十分など)がなくても、結果として傷病者に不利益が生じれば医療事故として扱われます。
他の選択肢の分析(医療事故に該当しない事案)
1 傷病者の家族から暴言があった:
これは医療従事者側が被害を受ける事案であり、傷病者の健康被害を指す「医療事故」には分類されません。
2 停車中に他の車両に追突された:
これは「交通事故」です。事故の結果として傷病者に怪我が生じれば医療事故の側面も持ちますが、単なる追突という事象自体は交通事故に分類されます。
4 傷病者の持ち物を現場に置き忘れた:
接遇上のミスや紛失トラブルですが、傷病者の病状を悪化させる「医療事故」ではありません。
5 電話の不感地帯で搬送先への報告が遅れた:
通信環境やシステムの不備による活動上の遅延であり、これ自体が医療事故とされることは稀です(ただし、それにより適切な処置が遅れ身体的被害が出た場合は検討の対象になります)。
救急救命士としてのリスクマネジメント
救急隊が現場で意識すべき「事故・トラブル」の分類は以下の通りです。
医療事故(Medical Accident):
薬剤の誤投与、気管挿管の誤挿入、搬送中のチューブ類(点滴、カニューレ、胃管)の脱落、ストレッチャーからの転落などが代表的です。
インシデント(ヒヤリ・ハット):
傷病者に被害は出なかったものの、「一歩間違えれば事故になっていた」事案です。これらを収集・分析することが、医療事故を防ぐ最大の近道となります。
二次災害・交通事故:
活動中の救急隊自身の怪我や、車両事故です。安全管理の徹底が求められます。
現場でのポイント:
搬送中は振動や体位変換により、固定しているチューブ類が緩みやすくなります。カニューレや点滴ラインの接続部は、「見て・触れて」繰り返し確認することが事故防止の鉄則です。
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