4 救急隊到着時観察所見:意識JCS100。呼吸数32/分。脈拍44/分、整。血圧192/106mmHg。右上下肢を動かさない。右足底の小趾側を強く刺激したときに母趾の背屈と2~5趾の開扇現象が出現した。
この神経所見はどの反射に分類されるか。1つ選べ。
1 腱反射
2 病的反射
3 表在反射
4 筋伸展反射
5 迷走神経反射
解答 2
【AIによる回答】
第4問は、神経学的診察における「バビンスキー反射」の判読とその分類に関する問題です。
解説:バビンスキー反射と分類
正解は2(病的反射)です。
問題文にある「足底の外側を刺激した際に、母趾が背屈(反り返る)し、他の指が扇状に広がる(開扇現象)」という反応は、バビンスキー反射と呼ばれるものです。
2 病的反射:
健康な成人では通常認められず、錐体路(脳から脊髄に至る運動神経の通り道)に障害がある場合にのみ現れる反射です。そのため「病的な状態を示す反射」として分類されます。
本症例では、高血圧、徐脈(クッシング現象の疑い)、および片麻痺(右上下肢を動かさない)を認めており、脳出血や脳梗塞などの重大な中枢神経疾患が強く疑われます。
他の選択肢の分析
1 腱反射(4 筋伸展反射):
ハンマーで腱を叩いた際に筋肉が収縮する反射(膝蓋腱反射など)です。これらは正常な人でも認められます。
3 表在反射:
皮膚や粘膜を刺激した際に起こる反射(腹壁反射など)です。正常な足底反射(刺激すると指が屈曲する)はこれに当たりますが、バビンスキー反射のような異常な反応は「病的反射」に区別されます。
5 迷走神経反射:
痛みや精神的ストレスにより自律神経のバランスが崩れ、血圧低下や失神を招く反応です。今回の神経所見とは無関係です。
救急救命士としての臨床的視点:脳外科的緊急事態のサイン
この傷病者のバイタルサインには、非常に危険なサインが隠れています。
クッシング現象(Cushing's triad):
血圧上昇(192/106mmHg)
徐脈(44/分)
呼吸の異常(32/分)
これらが揃っている場合、脳出血などで頭蓋内圧が著しく上昇しており、脳ヘルニアを起こしかけている切迫した状態です。
バビンスキー反射の意味:
現場でこの反射を確認できた場合、麻痺が単なる「動かしにくい」レベルではなく、中枢神経系が物理的にダメージを受けている確定的な証拠となります。
現場での対応:
頭部を30度ほど挙上し、振動を避けながら、脳外科手術や緊急処置が可能な医療機関へ一刻も早く搬送する必要があります。
まとめ:
「バビンスキー反射(指が反る) = 錐体路障害の証拠 = 病的反射」と整理して覚えましょう。
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