115 眼の異物への対応について適切なのはどれか。1つ選べ。
1 患側の眼球を冷却する。
2 刺入物の周囲を圧迫固定する。
3 確認できる異物をすべて除去する。
4 眼をこすって涙で眼外に流しだすよう促す。
5 健側の眼球をガーゼで覆って視覚を遮断する。
解答 5
【AIによる解説】
第115問は、眼の穿通性外傷(刺入物がある場合)の現場対応に関する問題です。眼球は非常に繊細な組織であり、わずかな動きが致命的な視力障害につながるため、特殊な固定戦略が求められます。
解説:眼の異物と「両眼遮断」の原則
正解は5です。
眼球には「共連動(共同運動)」という性質があります。片方の目(健側)が動くと、もう片方の目(患側)も反射的に同じ方向に動いてしまいます。
5 健側の眼球をガーゼで覆う:
もし健側の目が見える状態だと、傷病者は周囲を見ようとして目を動かします。すると、異物が刺さっている患側の眼球も一緒に動いてしまい、刺入物が眼球内部をさらに傷つけたり、眼房水が漏れ出したりする原因になります。
これを防ぐために、両方の目をガーゼやアイカップで覆い(両眼遮断)、眼球の動きを最小限に抑えるのが適切な処置です。
他の選択肢の分析(不適切な理由)
1 患側の眼球を冷却する:
眼球への直接的な冷却や圧迫は、眼内圧を変化させ、組織の損傷を悪化させる恐れがあるため行いません。
2 刺入物の周囲を圧迫固定する:
他の部位の刺入物(第114問のナイフなど)は根元を固定しますが、眼球の場合は「圧迫」は禁忌です。眼球を少しでも押すと、中の組織が外に飛び出したり、異物が深く刺さったりするため、接触しないように「保護(シールド)」するのが基本です。
3 確認できる異物をすべて除去する:
刺さっているものを抜くのは厳禁です。また、表面にある小さなゴミ(結膜異物)であっても、穿通の可能性がある場合は現場で深追いせず、医療機関での処置に任せます。
4 眼をこすって流しだすよう促す:
目をこすることは、異物で角膜や結膜を傷つける最も危険な行為です。絶対にさせてはいけません。
救急救命士としての臨床的視点:眼外傷のケア
眼に異物が刺さった傷病者に対し、現場では以下の配慮を行います。
不安への配慮:
両目を覆うと傷病者は完全に視覚を奪われ、強い恐怖心を感じます。今から何をするのか、どこへ運ぶのかを、常に声掛けしながら活動することが不可欠です。
体位の工夫:
頭を少し高く(頭部挙上)して、眼内の圧力が上がらないようにします。
紙コップなどの活用:
もし長い異物が刺さっている場合は、直接ガーゼで覆うと圧迫されてしまうため、紙コップなどを被せてその上から固定する方法(シールド固定)が有効です。
「健側の目を塞ぐことが、患側の目を守ることに繋がる」という知識は、眼外傷における救急活動の重要なポイントです。
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