76 定期接種の対象疾病に含まれるのはどれか。1つ選べ。
1 結核
2 狂犬病
3 A型肝炎
4 帯状疱疹
5 流行性耳下腺炎
解答 1
【AIによる解説】
第76問「定期接種の対象疾病」について、公衆衛生上の重要性と予防接種法の分類に基づいて解説します。
簡易解説
正解は1です。
結核は、予防接種法に基づき市区町村が実施する「定期接種」の対象疾患です。乳児期(生後1歳に至るまで)にBCGワクチンを接種することが定められています。他の選択肢の疾病(狂犬病、A型肝炎、帯状疱疹、流行性耳下腺炎)は、希望者が自己負担で受ける「任意接種」に分類されます(※一部の自治体で独自助成がある場合を除きます)。
詳細解説
日本の予防接種制度は、集団感染の防止を使命とする「定期接種」と、個人の判断で行う「任意接種」に分かれています。救急救命士は、感染症の既往やワクチンの接種歴を確認する際、この分類を理解しておく必要があります。
1. 正解の根拠:結核(BCG)
結核はかつて「亡国病」と恐れられた重大な感染症であり、現在もなお対策が必要な疾患です。
分類: 予防接種法上の「A類疾病」に分類されます。これは、主に集団予防に重点を置き、対象者に接種の努力義務が課せられているものです。
接種方法: 乳幼児の結核性髄膜炎などの重症化を防ぐため、管針法(スタンプ方式)で接種されます。
2. 他の選択肢(任意接種)の分析
選択肢2(狂犬病): 日本国内では1950年代以降、国内発生はありません。通常、海外の汚染地域へ渡航する場合などに任意で接種されます(※飼い犬に対する登録・接種は「狂犬病予防法」で義務付けられていますが、ヒトへの定期接種ではありません)。
選択肢3(A型肝炎): 汚染された飲食物から感染します。途上国への渡航時などに任意で接種されます。
選択肢4(帯状疱疹): 加齢に伴う発症を防ぐためのワクチンで、主に50歳以上を対象とした任意接種です。
選択肢5(流行性耳下腺炎:おたふくかぜ): 以前は定期接種化が議論されてきましたが、現時点(2026年現在)でも依然として任意接種の扱いです。
3. 主な定期接種(A類疾病)のまとめ
救急現場でよく遭遇する疾患に関連する定期接種は以下の通りです。
| 分類 | 主な疾患 |
| 生後すぐ〜 | ヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス |
| 乳幼児期 | 五種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ・ヒブ)、結核(BCG)、MR(麻疹・風疹)、水痘、日本脳炎 |
| 学童期以降 | ヒトパピローマウイルス(HPV) |
救急救命士としての臨床的視点:感染症の鑑別
救急活動において、傷病者の予防接種歴は重要な診断材料になります。
小児の意識障害・痙攣:
もしヒブや肺炎球菌のワクチンを未接種であれば、細菌性髄膜炎の緊急度が飛躍的に高まります。
成人・高齢者の不明熱:
結核は高齢者の再燃も多いため、BCG接種歴の有無(腕の痕)を確認するとともに、慢性の咳嗽や体重減少がないかを聴取します。
破傷風のリスク:
外傷(土壌汚染された傷)の際、破傷風の定期接種(五種混合や四種混合に含まれる)を完了しているかを確認し、必要に応じて医療機関で追加接種を検討します。
「定期接種に含まれる=社会全体で守るべき重大な病気」であることを理解しておくと、現場でのリスク管理の視点が鋭くなります。
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