45 糖尿病のスクリーニング検査に用いられる尿検査はどれか。2つ選べ。
1 尿pH
2 尿糖
3 尿蛋白
4 尿潜血
5 尿ケトン体
解答 2と5 11版P.202
【AIによる解説】
正解は2と5です。 糖尿病のスクリーニングでは、血液中の糖が過剰になり尿へ漏れ出す「尿糖」を確認するのが基本です。また、インスリン作用不足により糖がエネルギーとして利用できなくなると、脂肪が分解されて生じる「尿ケトン体」が検出されます。1(pH)、3(蛋白)、4(潜血)は主に腎疾患や尿路疾患の指標であり、糖尿病自体の初期スクリーニングとしては2と5が直接的な指標となります。
詳細解説
糖尿病のスクリーニングおよび病態把握において、尿検査は非侵襲的で迅速に行える重要な手段です。特に「糖代謝」の結果が顕著に現れる2項目が鍵となります。
1. 正解の根拠と病態生理
選択肢2(尿糖): 健康な人でも血液中に糖(グルコース)は存在しますが、通常は腎臓の尿細管でほぼ100%再吸収されます。しかし、血糖値が一定の閾値(一般に160〜180mg/dL程度)を超えると、再吸収の能力を上回り、尿中に糖が排出されます。これが尿糖です。スクリーニングにおいて、尿糖陽性は高血糖状態を強く示唆します。
選択肢5(尿ケトン体): 糖尿病が進行したり、インスリンが絶対的に不足したりすると、体は糖をエネルギー源として利用できなくなります。その代わりとして脂肪を分解してエネルギーを作りますが、その過程で生成される中間代謝産物が「ケトン体」です。尿ケトン体陽性は、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)などの重篤な急性合併症への移行を示唆する重要なサインとなります。
2. 他の選択肢の臨床的意義
選択肢1(尿pH): 尿の酸性・アルカリ性の度合いを示します。食事や代謝状態、結核、尿路感染症などで変動しますが、糖尿病の直接的な診断指標ではありません。
選択肢3(尿蛋白): 主に腎機能の指標です。糖尿病の合併症として「糖尿病性腎症」が進行すると陽性になりますが、初期の糖尿病自体のスクリーニングとしては尿糖が優先されます。
選択肢4(尿潜血): 尿路結石、腫瘍、膀胱炎、糸球体腎炎などの「出血」を伴う疾患を疑う指標です。
3. 救急救命士としての現場視点
救急現場において、意識障害を呈している傷病者が糖尿病既往歴不明である場合、簡易的な尿検査や血糖測定は原因特定(鑑別診断)の大きな助けとなります。
特に「尿糖(+)かつ尿ケトン体(+)」を認める場合は、単なる高血糖だけでなく、代謝性アシドーシスが進行している「糖尿病性緊急症」の可能性を考慮し、迅速な高次医療機関への搬送と、ドクターヘリやドクターカーによる早期介入の検討が必要になります。尿検査は、単に「病名」を探るだけでなく、その時点での「代謝の危機的状況」を把握するための重要なツールです。
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